インシデント共有
インシデント
インシデントの共有では、僕の勤務先のものと他施設からのものをランダムに送ります。
【インシデントのジャンル】
・血管選択ミス
〈インシデント内容〉
・抗がん剤投与予定の患者。研修医が一人でルートキープをし、前投薬の投与を始めた。その後看護師が訪室。右手背にルートキープされていたが、右前腕を見るとルートキープ失敗したような痕跡あり。すぐ研修医に確認すると前腕キープ失敗し手背にキープしたと返答あり。血管が繋がっている可能性あり手背のルートを抜針し左前腕でルートキープを行なった。
〈挙げられた改善策〉
・末梢から血管選択をする。
血管外漏出は意外と危険です。
ましてや抗がん剤ともなれば障害は大きくなります。
抗がん剤の種類にもよりますが、ものによっては壊死や潰瘍に至るものもあります。
今回中枢側で失敗して末梢側にキープし直しましたが、キープされた末梢側から投与された抗がん剤が、失敗した部位から血管外漏出に至る可能性が考えられました。幸い前投薬の段階で気付いたため大事には至りませんでしたが、気付くのが遅かったら危なかった事例です。
改善策で挙げられているように血管確保は末梢から中枢に攻めるのが基本です。一番末梢である手背が必ず第一選択というわけではありませんが、前腕の中でも末梢からといった具合に調整が必要です。
抗がん剤に限らず、血管外漏出注意の薬剤は多数存在します。
抗がん剤を扱う部署なら血管外漏出対応マニュアル的なものがあるはずなので確認しておきましょう。
またルートキープの技術も大切ですが、血管選択も非常に大切ですので気を付けていきましょう。